第13章 空島へ行くには
『……うっ』
「…‼︎、どうしたユナ⁉︎」
「ユナちゃん!」
突然口元を押さえて蹲るユナにチョッパーが直ぐさま駆け寄って様子を伺う。
『…き……』
「き?」
『きもちわるい……』
「………」
「…まぁそうなるわね」
まるでこうなるのが分かっていたかの様なロビンの口振りに、サンジが理由を尋ねた。
ロビンが言うには風を使って総ての情報を読み取っているのなら、その情報量は膨大なはず。いつものユナなら何の問題も無いだろうが今のユナは酔っ払っているのだ、酔った脳にそんな量の情報を一気に流し込めば気持ち悪くもなるだろう。
「ロビンあんたねェ…分かってたんなら先に言いなさいよ!」
「ごめんなさい…でも言う前にその子が始めちゃったから」
特に悪びれた様子も無く答えるロビンにナミは溜め息を一つ零す。
「ユナ大丈夫かァ?」
「あんまり無理するなよ」
『…だい…じょーぶ……それより、とり…むこうぅ…』
ルフィとウソップの言葉にユナは片手を上げて応えると、そのまま森の奥を指差した。サウスバードはこの先だと、それだけ言うとユナはその場に倒れ込んだ。
「お、おい大丈夫か⁉︎」
「ユナちゃん!」
「チョッパー、ユナは大丈夫なの?」
「あぁ、大丈夫だ。目を回して気を失ってるだけだ」
直ぐさまユナの容態を確認したチョッパーはその内目を覚ますだろうと付け加えた。その言葉に一味は安堵すると、先程ユナが指差した方向を見据える。
「あとはわたし達で何とかしましょう」
「そうだな、ユナちゃんの頑張りを無駄には出来ねェ」
「…さっさと捕まえて飲み直そうぜ」
「じゃ行くか変な鳥を……ぶっ飛ばすぞーっ‼︎」
「オー…いやいや捕獲だぞ…」
意気込みも新たに、一味はサウスバードを捕まえるべく森の奥へと進むのであった──。