第13章 空島へ行くには
チョッパーに頬擦りしながらご機嫌のユナに一味は益々困惑する、唯一サンジだけは羨ましいと零していた。
「ちょっとユナ、あんたホントに変よ?」
「…その辺の毒キノコでも食ったか?」
「バカやろォ、ユナちゃんに限ってそんな事するかよルフィじゃあるまいし」
「失敬だなサンジ、おれは毒キノコなんて食わねェぞ」
「どの口が言うんだか…」
「……みんな聞いてくれ」
話が逸れて言い合う一味にチョッパーがユナに抱かれながらも口を開く、その声に全員の視線が集まる。
「…ユナのやつ……多分酔っ払ってる」
「……は?」
「まぁ…」
「酔っ払ってるって何でまた…」
まさかの酔っ払ってる宣言に呆気にとられながらもウソップが言い掛けたところで、はたと気付く。そう言えば森に入る前ユナはゾロと一緒にいて手にはジョッキを持っていたなと、ウソップがそう零せばサンジが一目散にゾロへと突っ掛かる。
「おいクソマリモ、ユナちゃんに何してンだよ!」
「あァ?あいつが飲めるって言うから渡しただけだろうが」
「そうだとしてももっと気を配れよ筋肉馬鹿が!」
「ンだと?だったらてめェがずっと見てろよこのエロコック!」
「あァ⁉︎」
「──いい加減にしなさい!」
ゴッとナミの鉄拳が振り下ろされる。いつも直ぐに言い合いになるサンジとゾロに、これまたいつもその二人にナミが鉄拳をお見舞いして強制終了させる光景はこれで何度目だろうか。
「はぁ…まったくあんた達は懲りないんだから…でチョッパー、ユナは酔っ払ってるだけなのよね?」
「あぁ、酒臭いし間違い無いと思う…多分酔うと童心に返るんだと思うぞ」
尚もスリスリとユナに頬擦りされながらチョッパーは答える。その様子を見ながらどうしたものかとナミは考えた、酔っているのなら留守番させるべきか。
「おれが連れて帰ろうか?」
「…そうね、チョッパーお願いするわ」
船医であるチョッパーがついていれば問題無いだろうとナミはユナを任せる事にした。そうと決まればチョッパーはユナの腕から抜け出し地面に着地する。