第13章 空島へ行くには
そんな事を考えながらユナは内心溜息を吐く、本当は心当たりが一つあった…それはジャヤに上陸した時に張っていた風の防壁。身を守る為に力を使っていたがこれが思いの外体力を消耗していたらしい、まだまだ未熟だなと思いながらも、みんなに迷惑が掛からないよう今後は気を付けようとユナはひとり心に決めた。
「お、ユナ起きたのか!おめェも来いよ!宴会しようぜ!」
不意に掛けられた声に視線を向ければルフィが両手に肉を持ってユナを手招きしていた。どうやらクリケット達と打ち解けたルフィ達は宴会をして盛り上がっていたようだ。
『うん、でもその前にちょっと外の空気吸って来るわ』
ベッドの横に置かれていた帽子を手に、まだ頭が起ききれてないユナは目を覚ます為立ち上がると、チョッパーとナミにも一言言って外へと向かった。
外に出るとユナはエースから預かっている帽子を首から下げ空を仰ぐ…雲一つない夜空には満月と星が輝いていた。
「お、なんだユナじゃねェか。やっと起きたのか…おめェも一緒にどうだ?」
空を眺めていたユナだったが知っているその声に振り向けば案の定そこにはゾロが一人酒を手に座っていた。中にいないと思ったら外にいたのか、そんな事を思いながら取り敢えずユナはゾロの方へと足を進める。
『一人で飲んでるの?』
「あァ、月見酒も悪かねェ」
『……それ一人で飲むつもり?』
ゾロの横に置かれた二つの酒樽を見ながらユナが問い掛ければゾロが一つはもうカラだと言って退けた。「まだまだ足りねェ」と零すゾロにとんだ酒豪ねとユナは独りゴチた。
「そういやおめェ酒は強ェのか?」
『んー、どうだろ…そこそこは飲めるわよ』
ゾロの横に腰を下ろしながらユナは答える。今迄も宴会でお酒を飲む事はよくあった、だからお酒にはそこそこ強い、そう思って答えたがそこでふとある疑問が浮かんだ…確かにお酒は飲んでいた、だがその後は?飲むまでの記憶は確かにあるがどうしてもその後の記憶が思い出せない。