第6章 大切な人
初めて俺の部屋に入ったあんは
落ち着きなくキョロキョロと部屋の中を
見回してて…(笑)
「何やねんお前(笑)
毎日ずっと一緒におったのに
今日に限って
緊張してらっしゃるんですか(笑)?」
そう言って笑う俺に
あんは真っ赤な顔をして
「違いますよ!!
ただ…何か男の人の部屋だし…
少し…落ち着かないだけで……」
なんて早口に言うと…
「おっ…うれしいなぁ…
やっと俺も男やって
あんの中で認識されたんか…(笑)」
あんのそんな言葉が嬉しくて
くしゃくしゃとあんの髪を
かき回していた俺に
「でも…私…怒ってるですよ…?
何で待ち合わせ場所に…
丸山さんに来させたりしたんですか…?」
そんな言葉を
少し責めるように口にする…
「それは……
俺なりのかけやんか……(笑)
これでな……?
お前が丸と幸せになれたら
それはそれでええって……
でももし…
お前が丸と会って
それでも俺のとこ来てくれるんやったら…
俺は………
俺の出来る精一杯で
お前を幸せにしたる…
そう…思ってたよ………………?」