第6章 大切な人
"自分の気持ちから
逃げるのやめよう……?"
そんな丸山さんの言葉に
ずっと隠してきた気持ちが
溢れだしそうになる…
それでも…
ずっと見ないふりをしてきた
気持ちと向き合うことが…
素直になることが…
怖くて言葉が出てこない…
でもそんな私の背中を
"お前はほんまあほやな(笑)"
"好きなら好きって言うたらええやんか(笑)"
"絶対に幸せになれ………"
すばるくんが私にくれた
たくさんの言葉たちが
押してくれる……
だから怖がらずに
一歩を踏み出す勇気を………
「丸山さん………
私も丸山さんを……愛してます……」
目をつぶり
ありったけの勇気を振り絞って
吐き出した言葉に
「うん……………(笑)
俺もあんを愛してる………」
そんな言葉と一緒に
怖くて噛み締めていた私の唇に
丸山さんの唇が触れる……
「丸山さん…
幸せになりましょうね……?」
「うん……幸せになろな?
やっとあんを
この手で抱きしめられる…
もう絶対に離さへんからね(笑)?」
この手を掴むということは
たくさんの人の
悲しみや苦しみの上にある幸せに
手を伸ばすということで
だからこそ一度は
この手を離すことを決めた……
でもそんな私に
大切な人を守るために
戦うことの意味を……
傷付くことを怖がらない強さを…
教えてくれたすばるの優しさを
無駄にしたくないから
私は大切な人の手を
もう二度と離さないと
胸に誓うんだ……
~end~