第6章 大切な人
すばるside
今頃…
あんは丸の腕の中にいて
笑ってるんやろうなぁ……
そう思うと
胸が痛くて
自分がしたことに
後悔してしまいそうになる……
それでも俺は
あんに笑っといて欲しい……
それが一番大切で
それが一番俺が望んでることなんやから…
"俺は間違ってない"
そう何度も自分に言い聞かせながら
重い足を引きずり歩いてたら…
マンションの前に
見覚えのある顔が見えて
その顔を見た瞬間
俺は頭が真っ白になって
そいつに向かって走り出してて……
気がつくとそいつを
自分の胸に抱き締めてた…
「何でお前…ここにおんの………?」
そう…
震える声で聞いた俺にそいつは
「すばるくんが私から逃げるから…
追いかけて来たんですよ………(笑)?」
そう言って俺の背中に
腕を回した………