第5章 守るべきものは……?
「丸山さん……私は………」
「うん…今…
あんの顔みたら全部分かったから
もう何も言わんでいいよ…(笑)
本当にあんは
すばるくんを選んだってことなんやな…
それでいい……
俺もそれが正解やと思うもん…(笑)
俺のことは大丈夫やから
早くすばるくんのとこ行き……?」
そう言って
私の手を握った丸山さんの手は
初めて触れた時と同じ
とても温かい手で……
「傷付けてばっかりでごめんな……?
あんをこの手で
幸せにしたかったんやけどなぁ…
絶対に幸せになってや……?
そのために……
この手を俺から解放するんやから…」
私の手をぎゅっと力強く握りしめたあと
丸山さんは私の手を離し
私に背中を向ける…
「これが…一番いいんですよね……?」
「うん…これでいい…」
そう言って
頷く丸山さんの背中を
ぎゅっと抱きしめて
「丸山さんも絶対…
幸せになってくださいよ………?」
私は丸山さんから離れ
歩き出した…………