第4章 罪の代償
丸山side
泣きじゃくるかなを家に連れて帰り
落ち着くまでの間
ベッドに座り頭を撫で続けた…
泣きつかれたのか
小さく寝息をたて始めたかなから
離れようと立ち上がり
俺の服の袖を
ぎゅっと握りしめていたかなの手を
そっと離して寝室の扉を閉めた
混乱する頭を必死に落ち着かせようと
ソファーに座り深く深呼吸をしていると
ポケットに入れっぱなしにしていた
スマホがブルブルと小さく震えて
ポケットから取りだし画面を見ると
あんからのメールが一件………
なんとなく……
見なくても分かってしまう内容に
小さく一つため息を吐き出し
メールを開くとそこには
『その温か手で……
私じゃなく
かなさんを守ってあげてください』
そんな短い一文が書かれていた…。
やっとの思いで伝えた気持ちは
また簡単に振り出しに戻って…
掴んだと思った手は
いつも俺の手をすり抜けていく……
俺はただこの手で……
あんをずっと
抱きしめてたいだけやのに…………
たったそれだけのことが
こんなにも難しい…………………