第4章 罪の代償
丸山side
泣きながら走っていくかなを
放っておくことがどうしても出来なくて…
"ごめん………"
そんな短い言葉を残して
かなの後を追いかけた…
走っているかなの手を捕まえ
立ち止まらせると
かなは俺の胸に顔を押し付け
声をあげて泣き続ける…
俺は…………
自分のせいでこんなにも
ぼろぼろに傷付いて泣いている人を
これから捨てようとしてるんや…………
そう思うと胸が痛くて
泣きじゃくるかなを
ぎゅっと抱きしめた………
「別れない…から……」
そう俺の胸の中で
小さく呟いたかなに
俺は何て言えばよかったんやろ……?
その時の俺には
ただ泣き続けるかなを
抱きしめてあげることしか
出来なかった…………