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オレンジ

第4章 罪の代償


「ねぇ………?

今二人きりのこの部屋で

何してたの…………?


あん……これってどういうこと………?」



私に向けられたかなさんの視線は

とても悲しくて痛くて

私はその目を見ていられなくて

とっさに目を背け



「ごめんなさい………………」


そう小さな声で呟いた………



「かな!?」



丸山さんのそんな叫び声と一緒に

頬に走る痺れるような痛みに

叩かれたんだなと分かっても


それはどこが現実じゃないようで……


私は無意識に叩かれた頬を抑え

また"ごめんなさい………"

の言葉を繰り返していた………



そんな私に

また手を振り上げたかなさんの手を

丸山さんが掴んで



「やめろって……


悪いんはあんちゃうから……

全部俺が悪いんやから……


怒るんも……殴るんも………

俺だけにしてくれ…


頼むわ………」



そんな言葉を

頭を下げながら言う丸山さんに


かなさんはまた悲しそうに

その目から涙をポロポロと溢して


丸山さんの手を振り払い

走り出していく……




"ごめんな……あん?"


そう言い残してかなさんを

追いかけていく丸山さんの後ろ姿を



私はただ黙って


見ていることしか出来なかった…………
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