第4章 罪の代償
あんside
突然泣き出した私を
渋谷さんは何も言わず
ただ受け入れて抱きしめてくれて……
泣き止んだあと
"ありがとう"と"ごめんね"を言って
渋谷さんから離れると
渋谷さんは
そのことには一切触れずに
「そんなことよりも…
俺は今ものすごい腹が減ってんの!
今からこないだの居酒屋行こ…。
お前もちょうど
飲みたい気分なんちゃうの…(笑)?」
なんてニヤリと笑う………
「そうだね…
お腹すいたし…確かに飲みたい気分だ!!
じゃあ行きますか(笑)?」
私がそう言って笑った瞬間
渋谷さんは
そうするのが当たり前みたいに
私の手を握り歩き始める……
何も言わなくても
何も聞かなくても
きっと渋谷さんは全部分かってて
その上で
ただ前を向いたまま私の手を
引いてくれる…
そんな渋谷さんの優しさに
その時の私は
すごくすごくたくさん
救われてたんだ………………………