第4章 罪の代償
すばるside
あんに急に会いたくなって
あんの住むマンションの近くまで行って
電話をかけた…
別に会われへんでも
声だけでも聞けたらええ
そう思ってたのに
電話にさえ出ぇへんから
つい意地になって
一時間近くも
ここで待ってしまってたりして(笑)
何回かけても
変わることなく鳴り続けるコール音に
"もうそろそろ諦めて帰ろかな……?"
なんて弱気になって
地面を見つめていた視線を
上にあげると
マンションの前に立っている
あんが見えて
嬉しくなってかけより
驚いた顔をしてるあんに
"電話にはちゃんと出て(笑)?"
なんて笑うとあんは俺の胸に
顔を押し付けてくる…
小刻みに震える肩や
胸を濡らす温かい涙の感触に
"丸に会うたんやな………"
そう思いながらも
小さな体を震わせ泣き続けるあんを
俺はただぎゅっと
力一杯抱きしめた………