第3章 捨てられない感情
渋谷さんと別れ
マンションまで帰って来ると
マンションの入り口で
「あん……」
と名前を呼ばれて
振り向くとそこには
かなさんと一緒に帰ったはずの
丸山さんが立っていた…
「何でここに………?」
「そんなん…
あんが心配やったからに
決まってるやんか(笑)!」
そんなことを笑顔で言いながら
私をふわりと包み込む腕の中で
「すばるくんに口説かれてない…?」
なんて心配そうに呟く声に…
「渋谷さんは…
優しくてすごくいい人ですね…?」
そう答えると…
丸山さんは
私をさらに力一杯ぎゅっと抱きしめる
「ちょっと…苦しいですよ(笑)?」
「わざと苦しくしてんの……(笑)
今俺にやきもち妬かしたばつや………」