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オレンジ

第3章 捨てられない感情


丸山side

すばるくんとあんを二人きりにしたくなくて

仕事終わり急いでかなを迎えに行き

待ち合わせ時間ギリギリに

店に入ると


そこにはすでに向かい合って座る

あんとすばるくんがいて…


「あれ…?

なんかお邪魔しちゃった感じ(笑)?」


なんて笑いながら

かなはあんの隣に腰を下ろす…



「ほんまや!

今ええ感じに口説いてたのに…

なぁあん(笑)?」



「そうでしたっけ?

全然気付きませんでしたけど(笑)」



俺の気なんか知らずに

そう言って笑い合う二人に

少しイライラしながら

すばるくんの隣に腰を下ろすと…


「何やねん丸…?

元気ないやんか…

さてはここに来るまでに

かなにいじめられたんか(笑)?」


そう言ってむっつりとした俺の顔

すばるくんは不思議そうに見つめる



「すばるくん…それかなり失礼(笑)

でもなんか今日は隆平会ったときから

少しご機嫌ななめなんだよ…?」



そんな二人の会話を聞き流しながら

あんに目を向けると


あんは俺の視線に気付き

にっこりと笑いかけてくれる…


たったそれだけのことで


さっきまで海の底深くまで沈んでた気分が

空の上まで舞い上がった気がする…



ほんまに俺は……


どこまであんに

溺れれば気が済むんやろ…?
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