第3章 捨てられない感情
あんside
突然投げかけられた言葉と笑顔に
戸惑いながらも
「ありがとうございます……」
そう私が答えると
じっと私を見つめていた視線を外し
またちびちびとお酒を飲み始める…
「かなさんと丸山さんは
一緒に来るんですか……?」
カバンからスマホを取り出しながら
そう聞いた私に
「うん…?それは知らんけど
お前かなとも知り合いなんか…?」
なんて渋谷さんは首をかしげて
「私もともと
かなさんの知り合いですから…
丸山さんから何も聞いてないんですか…?」
「そう言えば…
言うてたんかなそんなこと…(笑)
あんまちゃんと聞いてなかった(笑)」
「それは私に
ほとんど興味がなかったからでしょ(笑)?」
そう言って笑う私を
「最初はな(笑)?
でも今は…
かなり興味が湧いてきてるよ?」
まっすぐに見つめる…
そんなまっすぐすぎる視線と言葉に
少し恥ずかしくなって目をそらした瞬間
個室の扉が
カラリと音を立て開いた………