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オレンジ

第3章 捨てられない感情


"どうしても

この手を離すことができへん…"


そう言って私を抱きしめる丸山さんの手を

どうしても拒むことが

出来なくて…



手を繋いだまま

家までの道を歩き続ける…



「ここが私の家です…」


マンションの下に着き

そう言って立ち止まると



「俺の家からすごい近いやんか(笑)

これならいつでも会えるね?」


なんて丸山さんはにっこりと笑う…



「早く帰ってあげてください…

かなさん待ってますよ……?」



「うん…分かってる…けど…」



そう言いながら私の頬に手を伸ばし

優しく撫でる手に


そっと手を重ねると



「あん………?」



なんて不思議そうに

丸山さんは私の名前を呼ぶ………



「私この手が好きです…

触れられると…

何も考えられなくなるくらい…(笑)


でも…今日は……


かなさんを悲しませないて下さい…


私からのお願いです…………」






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