第3章 捨てられない感情

「丸山さんは…

いったいどうしたいんですか…？」


抱きした腕の中で

力なくあんは呟く…



「どうしたいかなんで俺にも分からんよ…

ただあんが好きで…

気持ちがどうしても止まらへん…」



俺がそう答えると

腕の中であんの体は小さく震えだして


体を離し顔を覗き込むと

あんは涙でぐちゃぐちゃな顔で

俺の目を見つめる…


「ごめん…俺なんか変なこと言うた？」



そう言って次々に頬を流れる涙を

指で拭うと…



「丸山さんはずるいです……

あんなに素敵な彼女がいるのに…

私を好きなんて…

そんなのだめですよ………」


そう言ってあんは俺の胸に顔を押し付け

震える手で俺の背中をぎゅっと抱きしめる…



そんなあんを見ていると

胸がぎゅっと痛いほどに締め付けらる……



「ごめんな………？

ずるいんは分かってるけど…

どうしても止められへん……

この手を離すことが

どうしても出来へん…………」