第3章 捨てられない感情
あんside
「そう言えば隆平…
誕生日プレゼントは………(笑)?」
そうかなさんが言い出したのは
私たちがご飯を食べ終え
ケーキを囲んでいる頃で…
「そんな最速せんでも
ちゃんとあるやんか(笑)」
そう言って丸山さんは
ポケットから小さな箱を取り出す…
「ありがとう……」
かなさんの手のひらに乗る小さな箱は
なんだか特別なものに見えて
そっと二人から目をそらすと…
「うわ…かわいいネックレスだね?」
そんなかなさんの弾んだ声が聞こえてくる…
ゆっくりとかなさんの方に目を向けると
かなさんの首に
きれいなハートのダイヤのついたネックレスを
丸山さんがつけているところで…
「これもすごく嬉しいけど
もうそろそろこっちも欲しいかな(笑)」
そう言ってかなさんは
左手の薬指を指差す…
そんなかなさんに申し訳なさそうに
「こんなんでも俺一応アイドルやから
そっちは簡単にはいかへんなぁ…
ごめんな…なんか待たせてばっかりで…」
そう言って丸山さんは笑って
「冗談だよ(笑)
今はこれで十分だから…」
かなさんはそう言って
目の前にあるケーキに手を伸ばした…