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オレンジ
第3章 捨てられない感情
あんside
洗面所で
丸山さんに触れられた手を
冷たい水で冷やしてみても
じんびんとした熱い熱が
消えることはなくて
"会いたかった…"
そんな一言が
必死に忘れようとしていた
あの日の熱を思い出させる…
忘れなきゃいけないのに
こんなにも苦しくて仕方ないのに
丸山さんはずるい……
必死に我慢していた涙が
頬を伝う感触に
急いで涙をぬぐった……
「あんー?」
かなさんの私を呼ぶ声に
私は鏡の前で笑顔を作り
二人が待つ部屋に戻った………
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