第3章 捨てられない感情
「あんも手洗っておいで?
誕生日って言っても
出来合いのもの並べただけだから
たいしたものは無いんたけどね(笑)」
そんな笑い声と一緒に近付く
かなの足音に
繋いでいた手をゆっくりと離すと
あんは俺から離れ
洗面所に走って行ってしまう……
そんなあんの背中を
じっと見つめていると
いつの間にか隣に来ていたかなは
「あんの分のお皿も用意しなきゃね(笑)」
なんて食事の用意を始める…
そんな楽しそうな
かなの笑顔を見ながらも
頭も体もあんで埋め尽くされてる俺は
この先…
どこまでひどい男になれるんやろ……?