第2章 熱い手
「なんかいつもあの子は
俺から逃げていくな……(笑)?」
一人になった部屋の中
温もりと寂しさだけが残ってる…
こんなにも
俺の心をかき乱して…
今更逃げるなんてずるいやんか(笑)?
あんの唇の甘さを知ってしまった今
俺はそれを全部忘れて
無かったことに出来るんやろうか…?
あんの言うとおり…
今ここで止まれば
何事もなかったかのように
またかなとの道を歩き出せる…?
そんなのきっと俺には無理や…
だってこうしてる今も
あんを抱きしめた腕の感触も
あんの唇の柔らかさも
こんなにも生々しく
脳裏に焼き付いてるんやから…