第2章 熱い手
丸山side
突然押し付けられたあんの唇は
触れ慣れたかなのものとは違うもので…
少し厚みのあるあんの唇から
綿菓子みたいに甘い味がする…
その甘い味をもっともっと知りたくて
押し付けられた唇に
自分の唇を更に押し当て
苦しそうに開いた唇に
下をねじ込むと
あんはそれに答えて舌を絡ませる……
ゆっくりと首筋に舌を這わせていくと
ぶるりと体を震わせ
俺の髪を優しくくしゃりと掴む
あんの手に…
身体中が熱を帯びて
"このままあんの全てが欲しい"
そう思った瞬間
あんは俺から体を離し
もう一度キスしようと
近付けた顔を
顔をそらしてかわす……
訳が分からず
ただじっとあんを見つめていると
「だめ………
こんなのは全体にだめ…
ここで止めないと…
後戻り出来なくなる………」
あんはそう独り言のように呟いて
俺を残して
逃げるように部屋を出て行った…