第2章 熱い手
あんside
"好きになっちゃうから…"
そう私が全体に口にしてはいけない言葉を
口にしてしまった瞬間
私の体はがっしりとした丸山さんの体に
包み込まれて…
「私今…
触らないでって言いましたよね…?
好きになっちゃうからって
言いましたよね………?」
震える声でそう言った私に丸山さんは
「うん……ちゃんと聞いてたよ(笑)?
でも…なんかあんが
今にも消えちゃいそうやったから(笑)」
なんて困ったように笑う…
そう言って笑いながらも
私を抱きしめたままの丸山さんに
小さくため息をつき
「そういう優しさは
人を傷付けるって知らないんですか?」
そう言って抱きしめられた腕から
抜け出そうとする私に…
「あかんよ…今更逃げんといて……?
俺だって必死に理性働かしてたのに
あまりにかわいいこと言うから…(笑)
それにな……?
俺は全然優しくなんかないよ…?
今だって俺は
かなを傷付けるって分かってるのに
あんを離したくない…
出来ることならこのままずっと
離したくない…
なんて思ってしまってるんやもん…(笑)」
そんなずるくて甘い言葉を口にして
丸山さんは無邪気に笑う……
私は………
そんな無邪気な笑顔を浮かべる唇に
惹き付けられるように
自分の唇を丸山さんの唇に押し付けた……