第2章 熱い手
触れられた手から伝わる熱が
今にも消えてしまいそうなその声が
なんだか妙に胸をざわざわと騒がせて
「あ…ん………?」
そうあんの名前を呼ぶと
あんは驚いたように目を開け
あの日と同じようにすぐに
触れている手を引っ込める…
「あの…ごめんなさ…い…
私もう帰りますから………!」
そう言って急いで
ベッドから起き上がろうとするあんに
「まだ無理やって…
もう少し横になってからにし……?」
そう言ってあんの腕を押さえると
あんはびくりと体を震わせて
「触らないで……!」
と…
まっすぐに強い力を称えた目て
俺を見つめる…
「あ……ごめん…嫌やったよね?
もう触らへんから…」
焦って触れていた手を離すと
「違う………
嫌なんじゃなくて………
その手に触れられると
好きになっちゃうから……
かなさんも…
回りの目も…
全部どうでもよくなるぐらい
丸山さんを好きになっちゃいそうだから
だからもう…
私に触らないで下さい………」
そう言ってあんは下を向き
俺から目をそらした………