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オレンジ

第2章 熱い手


あんを連れて

家まで帰って来た俺は


自分のベッドにあんを寝かせて



ずっと目を瞑ったままのあんの顔を

じっと観察していると


不意に眉間にシワがより

閉じたままの目から

ポロポロと涙がこぼれ落ちてくる…


その涙を指で拭いながら


「何でそんなに辛そうに酒飲んで…

何でそんなに悲しそうに泣いてんの…?」


そう呟き

お酒のせいで赤く染まっている

あんの頬に手のひらで触れると


その瞬間あんは

うっすらと目を開けて

俺をぼんやりと見つめる…



涙で潤んだ目に見つめられて

焦ったように頬に触れていた手を離し



「目覚めた……?

やから飲み過ぎやって言うたのに(笑)

今水持ってくるから

ちょっと待っといて……?」



そう言って

座っていたベッドから立ち上がろうと

するとあんは俺の手を掴んで…



「行かないで…………?」


そう消えそうな小さな声で

囁いた………
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