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オレンジ

第2章 熱い手


「2年ですか………」



「うん…2年(笑)

長いんだか短いんだかは分からないけど

もう空気みたいな存在かな?

相手は一応アイドルだし…

簡単には結婚とかも出来ないだろうけど

でもね…私の未来には

隆平が不可欠なんだよね(笑)」


そう言って笑顔で私を見つめるかなさんは

すごく幸せそうな顔をしていて…


あの日丸山さんに少しでも

ドキドキしてしまった自分が

嫌になる…


そんな自分が恥ずかしくて

なぜか少し悲しくて


目の前に運ばれてきたビールを

一気に喉に流し込んでいると


「おぉ…あんはいい飲みっプリやね?(笑)」


なんて声がして後ろを振り返ると


そこには…


少し息をきらせて

汗を拭きながら個室に入ってくる

丸山さんがいて……


「遅いよ隆平(笑)

ていうか呼び捨ては早くない?」


なんてかなさんは

丸山さんを自分の隣に手招きする…



「ええやんか別に(笑)

かなの友達は俺の友達やもん!」



そう言って笑う丸山さんの温かい手が

かなさんの肩に触れた瞬間



なんだかちくりと胸が傷んで


コップに残っていたビールを

また一気に喉に流し込んだ……
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