第2章 熱い手
服を着替えて
かなの座るソファーに腰を下ろすと
かなはいつものように
俺の肩に頭を乗せてくる…
「ねぇ隆平…
その唇どうしたの……?
それに少しお酒飲んでるでしょ?」
そう言って絆創膏の張られた唇に
指を伸ばすかなに
「これは……
ちょっとぶつけちゃっただけやから
大丈夫やで(笑)」
なんて適当な嘘をつき
優しく触れ慣れた唇にキスをすると……
かなはそれに答えるように
そっと唇を開く
開かれた唇に舌をねじ込み
荒く深く温かい口内を味わって
"んっ"なんて吐息を漏らす
かなの体を押し倒して
服をまくりあげる…
いつもと変わらない行為
それやのに今日は
かなを全身で感じてるのに
こんなにも強く抱きしめてるのに
"あん"の笑顔が
ビールに口をつける唇の生々しさが
掴んだ手の感触が
切れた唇のじんじんとした痛みが
頭を埋め尽くして
消えてくれない…
どうにかして
そのすべてを消し去りたくて
俺はさらに強く
かなを抱きしめた…………