• テキストサイズ

オレンジ

第2章 熱い手


朝目を覚ますと

すでにベッドの中には

かなはいなくなっていて


暖かいベッドから抜け出し

リビングに顔を出すと


かなはテーブルに座り

スマホを見つめたまま"おはよう"と

呟く …


「朝から誰にメールしてんの…?」


そうかなの前の席に座りながら

何気なく聞いた質問に


「うん……?

あぁ…今あんにね

明日3人でご飯でもどう?って

誘ってたんだけど…良かったよね?」


なんて…

予想外に聞かされた"あん"の名前に

一瞬頭が真っ白になって

無意識に唇に張られた絆創膏を

親指で撫でていると


「隆平…………?」


不思議そうにかなは

俺を見つめる…


そんなかなの視線から逃げるように


「あぁ…うん……

もちろんええよ(笑)」


そう早口に答えると

"良かった(笑)"なんて笑いながら

かなはまたスマホに目を向ける…



明日もう一度

会えるんや………


そう思うと


落ち着いたはずの胸が


またざわざわと騒がしく

騒ぎだす……



違う………

これは全体に違う………


そう必死に頭は否定するのに



"あん"のことを考えるだけで

体が勝手に熱を帯びてくるのを

感じた…………
/ 101ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp