• テキストサイズ

短編集 ONE PIECE

第1章 2016.11月11日 【ゾロ】






俺の胸に頬を付けていたが顔を上げる。
それが合図だった。

静かに重なる唇。

初めてじゃねぇのに緊張していた。
相手がだからだろうか、こんな緊張感は今までにねぇ。

「・・ゾロっ・・・」

キスの合間に呟かれる言葉に身体が騒めき出す。
止められねぇ。

だんだんと深くなるキスに、舌が絡む。

「・・っう!・・ぅぅん・・・」

夕焼けに光る雫が唇と唇を繋ぐ。
真っ赤に染まった頬に手を添えると預けてくれるぬくもりに俺は、このまま連れ去りたい想いを抑えた。

急ぐつもりはねぇ。
だが、濡れた瞳を向けるは誘ってるとしか見えねぇんだ。

「・・こんな場所で・・・」

責める言葉なのにここじゃなきゃいいのか?と聞いてしまいそうになる。

「・・もう1回だけ」

そう呟けば、驚いた表情を見せるがゆっくり瞳を閉じてくれた。

ゆっくりその濡れた唇に近付く・・
再び重なろうとした唇が

「あっ!!!
ゾロもいるぞーーッッ!!!」

場の空気を読まねぇ、いや、読めねぇアホ船長の声が身体の動きを止めた。

「・・あのアホがッッ!」

「・・ルフィ・・・」

「何してんだ?早く飯行こうぜッ!!
今日は宴だッ!ゾロの誕生日会だぞーーっ!!」

ピョンピョン跳ねるルフィの頭をナミが思いっきり叩いた。

「もーぉ!内緒って言ったはずよ!!」

「ふふふ、航海士さん船長さんにはちょっと難しいわ、それ」

どこにいたのかナミとロビンが立っていた。

「・・っっう!2人とも!いつから?!」

「ふふふ、抱き締める所からかしら?
でも、良かったわね。
剣士さんの事で悩んでたけど解決して」

悩んでた?俺の事で?

チラッとを見れば、真っ赤な顔で声にならない声を上げている。
ロビンが言った事は図星らしい。

「なーぁ、飯!メシ!メシーーーっっ!」

「あーぁ!五月蝿い!!
もぅ、わかったから行くわよ!!」

纏わりつくルフィを手で払いながらナミが歩き出した。

「おーつ!!メシだ飯!行くぞっ!!」

手が伸びてきて、の腰を掴んだと思ったらあっという間に俺のそばを離れた。


/ 9ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp