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短編集 ONE PIECE

第1章 2016.11月11日 【ゾロ】





いくら俺の足でも馬に勝てるわけもなく、街まで辿り着いた時には達を見失っていた。

「くそっ!!」

視線を彷徨わせ、ブラブラと街中を歩くが見当たらない。
仲間達に会う事もなく時間だけが過ぎて行く。

「チッ、こんなはずじゃなかったのにな・・」

久しぶりに上陸した島。
滞在期間は丸1日。
勿論、俺はと過ごすつもりでいた。

だが、島に着いた途端姿が消えた。
俺に何も言う事なく。

あの様子じゃ、サンジと一緒にいたのは明らかだ。

腹が立つと同時にどうしようもない不安が押し寄せてきた。

3つ上の。
ある島でルフィが突然連れてきて仲間になった女。

一目惚れだった。
あのアホコックじゃねぇが、初めて姿を見た途端 心臓が飛び出そうな勢いで動いたんだ。

どうにか振り向いてもらえて、恋人の位置にはいる。
だが、いつフラれてもおかしくない。

それぐらい俺の方がを好きだ。

噴水前のベンチに横たわり、夕暮れに染まる空を眺める。

一緒に見て回りたかった。
探す間、目に付く物はが好きそうな、似合いそうな物ばかり。

余計に苛立つ。
俺ばっかりだ・・・

「あれ?ゾロ!こんな所で寝てるの?」

顔に影が差したと思ったら視界に映る、のドアップ顔と頬に当たるの手のひらのぬくもり。


「!!?」

「ここ秋島だから寝てたら風邪引いちゃうよ」

年上の癖に甘えた声色と綺麗な顔立ち。
そのギャップに堪えるのに毎回必死な俺には一向に気付かない。

だから、何気なく俺に近付き触れてくる。

「・・どうしたの?」

「どこにいた?」

頬に当たっていた手を掴み、身体を起こす。

「・・ゾロ?どうしたの?」

「どこにいたって聞いてんだよ」

恐がらせたくなかったのに、止められない。

「・・あのね、実は
「何でサンジの野郎と一緒にいたんだ」

「えっ?何で知ってるの?」

「そんな事どーでもいいんだよッ。
アイツと今の今まで何処で何してたんだ?!」

口籠る。

何で何も言ってくれねぇ。
何で黙るんだよ・・・




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