いい子悪い子、愛しい子 番外編 《ハイキュー!!》
第4章 四つ葉のクローバー
背中に大好きな人の声と温かさを感じた
コートを着ずに、セーターにヒートテックしか着ていなかったあたしには、その温かさがよく分かった
『・・・ッ!!』
「俺も、ごめんな。お前がどっちも大事にしようとしてるの分かってるのに…あんなこと言っちまって…」
背中から回ってきた腕があたしの身体を包む
耳元に聞こえた声のせいでまたあたしは泣き出した
『…あっ、あたし…』
「何も言わなくていい、もうわかったから…。」
『あたしッ…黒尾さんに…』
「いいって、俺も悪かったって…。俺、あいつらに嫉妬しちまったんだよな。お前があいつらのこと大事なのは分かってたが…それでも俺のこと大事に思ってんのかな~って不安になってな。」
『そんなこと…ックシュ!!』
安心したせいか、急に身体が寒さを訴えた
ようやく自分がすごい薄着で走り回っていたことを思い出した
「お前…、なんでそんな薄着で出てきたんだ。」
『…だって、早く黒尾さんに…会いたくて…』
黒尾さんが離れたと思ったら、あたしに着ていたコートを着せてくれた
すごく大きくて、黒尾さんのにおいが強くて・・・
「…うちに来い。」
『…はい』
黒尾さんがそう言って、あたしの肩を抱いてくれた
雪が降ってても、薄着でも・・・
心が温かかった。