いい子悪い子、愛しい子 番外編 《ハイキュー!!》
第2章 変わるために
「・・・夜琉!!!」
『あっ、お久しぶりです。牛島さん』
待合所に颯爽と現れたのは、ここの代表取締役になった牛島さん。ずっと謝れていないあたしなのに、牛島さんはそんなこと気にしていないかのようにあたしを抱きしめた
「夜琉…会えてよかった」
『あっ…あたしもです。あの、今日は…』
牛島さんが腕の力を緩めた時、あたしは及川さんの方を見た
きっと牛島さんもそっちを見てくれていると思う。
「及川・・・」
「よぉ、牛島…」
2人のムードは最悪だ。今すぐにでも逃げ出したいくらいに・・・でも、あたしが逃げたらいけないことくらい分かっている
「・・・。」
「・・・、あの…さ」
「及川、すまなかった」
先に口を開いたのは及川さんだったのに、先に謝ったのは牛島さんだった。
そこで当然及川さんはむくれたけど、及川さんもすぐに頭を下げた
「俺の方が、悪かった。あんたには…あらぬ疑いと勝手な恨みを抱いて迷惑をかけた。」
及川さんが牛島さんに頭を下げるなんて、きっと心の中ではすごく屈辱的だと思うけど、牛島さんがもういいと言っているのに全然頭をあげようとしなかった
「及川、謝罪の代わりと言っては何だが…。一つ頼まれてくれないか?」
なかなか頭をあげない及川さんに、牛島さんが別の手段を持ち出した。
やっと重い頭をあげた及川さんに、牛島さんはいつもの怖い表情じゃなくて、どこか切ないというか・・・苦の表情な気がした