いい子悪い子、愛しい子 番外編 《ハイキュー!!》
第2章 変わるために
「じゃ、木兎さん呼んでくるからここで待っててね」
『はい、ありがとうございます』
京治さんに応接室に通されたあたしと及川さんは、いかにも高そうなカップに入った紅茶を飲みながら木兎さんを待った
隣にいる及川さんは、相変わらず硬くなったままだ
緊張しているのが見て取れる。あたしは出されたお茶菓子の中から及川さんが好きそうなクッキーを渡してみたり、いろいろな話を振ったりするけど、それに対しても愛想笑いで・・・
「夜琉ーーーー!!」
地鳴りのように廊下を走ってきたであろう木兎さんが乱暴にドアを開けて入ってきた
あたしはそんな木兎さんを迎えるために席を立った。立ち上がったあたしに木兎さんは問答無用で抱き着いてきた
「ひっさしぶりだな~。最近会えなくて寂しかったんだからなー!!」
泣きながらあたしに抱き着く木兎さんを、京治さんが強引に剥がす。京治さんは何も言わずに、及川さんの方を見た。木兎さんもそれを察したように及川さんを見た。・・・決して気づいてなかったわけではなさそうだ
「ようやく顔出したか、及川」
「・・・。」
木兎さんが珍しく社長らしい?真面目?な表情になった気がした
及川さんは、言葉を探している感じだった
「…ぼっくん」
及川さんがゆっくり立ち上がった
ゆっくり、木兎さんの前に立った
「その…、いろいろごめんなさい…その、あと…ありがと…」