第9章 友人の勘違い
ちょっと、気まずくなった場の雰囲気を壊したのは冴子。
「君夏。5歳下なら…今、高3か高2だよな?」
「そうだね。高2だよ」
「どうやって知り合った?君夏の性格からして、バイト先の生徒って訳じゃないよな?」
「当たり前でしょ?ウチの塾は小中専門だよ。その子とは、友…達、伝いと言うか…、何と言うか…」
説明しずらいな…。
『友達とは貴女の事ですよ』なんて言えないしな。
目の前でなされている会話に、烏養さんはタバコをふかしながら静観していた。
吸いすぎだと思いますよ。
そんな頭の中は、「やっぱり…」と、冴子の目が輝かせた冴子によって戻される。
ガシッと私の両肩を掴み、「君夏なら、龍の格好よさがわかってくれると思ったよー!」と私に抱きつく。
えっ?…龍くん?
何で?