第9章 友人の勘違い
固まらないで下さいよ。
黙り込まないで下さいよ。
『話せ』と言ったのはそっちですよね?
とりあえず、
目の前の烏養さんに目線で訴えるが、
目をそらされてしまった。
思っていたのと違って反応に困っているんだろう…。
隣の冴子は何か考え込んでいる。
「あり得ない事くらい自分でわかってますよ。だから…忘れようと思って…」
未だ口を開かない二人にめがけ、ぶつぶつと独り言のように昨日の言い訳を並べた。
「チッ‼だからって誰でもいいのかよ」
苦虫を噛み潰したようなとでも言うべきが…ひどくしかめた顔をした烏養さんが舌打ちをこぼしながら言う。
「そうゆう訳じゃ…無いん、ですけど…」
「説得力、ねぇよ」
「以後、気を付けます」