第6章 5歳の年の差は大きいか?小さいか?
「おじさんくさく見えますよ」
煙草を加えながら、ビールジョッキを片手にもつ烏養さんに一瞥をむける。
『まだ、若いのに勿体ないです』と付け加えようとした。
でも、烏養さんはそれを遮るように煙草の灰をトントンと灰皿へ落とし、「はぁー」っと溜め息をつく。
「お前21だよな?」
「はい」
「俺とお前は5つ離れてる。そりゃ、充分おっさんだよ」
そう言って、目を伏せた。
また煙草をふかす。
《5つも離れてれば、おっさん》
その言葉が胸に刺さった。
だって、私と西谷くんも5つ程離れている。
そうか…
って事は、彼にとって私はおばさんになるのか、
そうか…うん。そうだよね。
一人、頭の中で思考を巡らせて、頭を垂れると、
「なんだよ」と怪訝そうな声が隣から聞こえた。