第2章 人っていうのはそうそう変われるもんじゃない
「なんでテメェがいんだよ、万事屋」
「大串くんには関係ないでしょ。俺はおたくと違って忙しいの」
会ってそうそう口論を繰り広げる相手は真選組副長、土方歳三である。
「まあまあ旦那、このとおり土方コノヤローも反省してるみたいなんで勘弁してくだせぇ」
「なんで俺が悪いみたいになってんだよ!」
どうやら沖田総悟と見回りをしているようだ。
「なんか今日やけにおおくねーか?」
銀時が示したのは真選組の隊員の数である。
通常のパトロールの倍はいるであろう。
「攘夷過激派が歌舞伎町に紛れ込んだらしくてな。こちとらピリピリしてんだ。さっさと帰りやがれ。」
「今まさにそうしようと思ってたんですぅー!お前のせいで帰る気なくしちゃったなー。いちご牛乳でもくれたら帰ってやってもいいけどなー」
「どこの反抗期だテメェ!?」
「旦那、言われんでも俺が払いやすぜ。ちょうど金がはいったとこでさぁ」
そういって財布を振りかざす沖田であったが、
「総悟オオオオ!!それ俺の財布ううううううう!!!!」
「なんか騒がしくね?」
「テメェのせいだろ!」
「ここじゃねぇよ。外だ外。大串くんの仕事じゃね?」
確かに言われてみれば外が騒がしい、そう思って民衆が集まっている方を見る。
「大変だ。女の子が人質に取られてまさぁ」
双眼鏡を除きながら総悟がつぶやく。
「しかもヒイヒイ言わせたくなるようないい女ですぜ」
総悟が見せてきた双眼鏡を覗いた銀時は目を見開く。
「なつき!!?」