第1章 どんな女にも棘はある
数時間ほど話し込みそろそろ閉店するとのことで2人は店を出た。
「じゃあ銀時、またお店にでも来てよ。」
「お前もなんかあったら銀さん頼りにしていいからな。万事屋銀ちゃんこの2階だから。」
そういってスナックお登勢の上を指さす銀時。
「あー、送る」
「え?別に大丈夫よ。」
「お前の心配するわけあるか。1人で返したと知ったらババアに何言われるかわかんないからですぅー」
「はいはい。じゃ、よろしくおねがいします。」
そうしてふたりでむ〜んまるくへと向かう。
「そういえば他の人って・・・」
他の人、とは攘夷志士のことを指すのだろう。
「ヅラはまだ攘夷志士、辰馬は宇宙で商売やってる。高杉は、鬼兵隊で、、」
「・・・喧嘩中か」
「あー、そんなとこだ」
「仲直りできるといいわね」
冗談で、軽い励ましのつもりで言っているのではないのだろう。
なつきはそんな奴ではなかった。
どうやら今もそれは変わらないようだ。
「相変わらず男前だな」
「なにそれ褒めてるの?」
そういって困ったように微笑むなつきに柄にもなく銀時は見惚れてしまっていた。
それからむ〜んまるくまでの道のりで話したことはあまり覚えていない。
「ありがとう銀時、おやすみなさい」
「・・・おう」