第3章 行き倒れてるやつは大概自分が悪い
「にしてもあいつが行方不明ねぇ、、」
「心配ですね。きれいな人だから誘拐されたりとか、、」
「大丈夫アル。定春がすぐに見つけるネ」
サトシくんに借りたなつきのエプロンの匂いを頼りに定春は彼女を探す。
「いや、あの女はそんな可愛らしい感じじゃないからね。銀さんはとんだじゃじゃ馬って知ってるからね」
先日の人質騒ぎを思い出し、なつきが誘拐されたという可能性を銀時は否定する。
「攘夷志士だったとはいえ女性ですよ」
「そんなんだからいい年して女がいねーんだヨ」
「ほんとなんだって!お前らは知らないからそんなこと言えんだよ!」
辛辣な従業員をよそに、定春の方はなにか分かったようだ。
「わんっ」
「お、みつけたアルか?」
「・・・アレじゃね?」
定春が立ち止まったのは歌舞伎町の公園だった。
子供たちが遊んでいる傍らで、ベンチの上に人が寝ていた。
「あ、なつきアル」
「なんであんな所で寝て、、、」
青空の下すやすやと眠っているのは紛れもなくなつきであった。
「おい、起きろ」
「Zzz..」
銀時が揺すっても起きる気配はない。
「起きろって言ってんだヨ!」
「Zzz...」
神楽がゆさゆさと激しく揺すっても、起きる気配はなかった。
「ちょ、神楽ちゃん!やりすぎやりすぎ!!
なつきさーん?風邪ひきますよー。
・・・ダメだ。起きないや」
「ちっ、仕方ねえな、、」