第2章 人っていうのはそうそう変われるもんじゃない
「攘夷の前に最低限のマナーくらいは慎んでほしいわね」
木刀の柄で男の腹を突き、その隙に男から距離をとる。
「っ!このアマ〜!!」
攘夷志士は刀を振りかざしなつきに切りかかろうとする。
「今日は厄日ね」
居合の構えをとったなつきはそこから一振りでその男を地に堕とした。
「・・・万事屋、あの女なんだ?」
「剣術道場の娘さんだ。おら、逮捕しなくていいのかよ。」
鼻をほじりながら仕事を諭す銀時に仕方なく従う真選組。
なつきはさっさと銀時の元へとやってくる。
「ありがと」
「相変わらずだな」
「いや、だいぶ鈍ってるわよ」
「・・・刀はどうしたんだ?」
「廃刀令が出されたからね。公の場で使うわけにはいかないでしょ。」
するとなつきはおもむろに銀時の手をとり、自身の羽織の中へその手を導く。
「ちょちょちょちょ!?そ、外よここ!?そりゃ、い、いやじゃぁないけど・・・」
「馬鹿じゃないの?」
「え?・・・おまえ、これ」
そう言って不敵に笑うなつき。
綺麗な羽織はおしゃれのために来ている訳では無いと銀時は知った。
「愛刀はここに隠してあるのよ。内緒よ?」
そうしてなつきは生クリーム片手にむ〜んまるくへと向かったのであった。