• テキストサイズ

あなたと愉快な仲間たち

第11章 昔話〜桐山照史〜 *




もしもさらけ出して、
淳太は俺をきっと哀れだと思うだろう


親の愛を知らへんのはかわいそうって


そうなったら俺は、

踏ん張って立ってる力も無くなりそうだった


淳「…なんで」
「え?」


淳「なんでわろてんねん。
悲しいんちゃうんか。辛いんちゃうんか
ほんまは泣きたくて、怒りたくて、
気が狂いそうなぐらい苦しいんちゃうんか!」

「淳太…」

淳「この俺には、照史の苦しみとか辛さとか
分かることも理解するのも多分難しいと思うで
だけど分かるねん俺。照史?人ってな、
強がると泣くことを忘れんねんで?
笑って平気に見せることで傷を隠したってな、
なんの意味もないねんで」


だから、泣いてもええでって

淳太は俺を優しく抱きしめた
大丈夫、大丈夫って何度も言ってくれた。



「おれ…っ、ほんまは…!」

学校に行きたかった。

クラスのヤツらと一緒に、
楽しいこと嬉しいことを共有して

たくさんの思い出が欲しかった。


温かいご飯とか温かいお風呂とか、

そんな有り触れた当たり前が
俺は欲しかった。


友達が欲しかった。
親の愛が欲しかった。

どうして嫌いなんやろ?


こんなに一生懸命、笑ってんのに


何がダメなんやろ。


淳「友達ならおるやん!」
「え?」
淳「この俺!友達やんかー!」


ニコニコ笑う淳太が、

そう言った








/ 174ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp