第10章 昔話〜濵田崇裕〜 *
施設に入れられた俺は
どう仲良くしたらいいか、
すぐに馴染むことも出来なかった。
知らん学校に行くことになって寂しくて。
俺、独りぼっちやなって感じた。
「よっ!」
でもそこに現れたのは、淳太だった。
着てる服はブランド物やったし
髪型も綺麗に整えられとった
施設の人ちゃうな、ってすぐ分かった。
淳「俺、中間淳太って言うねん!君は?」
崇「濵田…崇裕…」
淳「よろしくな!濵ちゃん!」
淳太は何故か俺の事を濵ちゃんと呼んだ。
そして楽しそうに俺といつも遊んでくれて
知らないことをたくさん教えてくれた
学校は別々やったけど、
何故か俺の通うとこに転入して来た。
淳「1人やとさ、寂しいやん?」
って理由らしい。
全くもって今でも理解できない。
毎日決まった時間、
そして決まってお迎えが来れば帰ってく淳太。
淳「濵ちゃん〜来たで〜!」
毎日違うオシャレな服を着た淳太は、
ニコニコ笑ってて俺にすら笑顔がうつるほど
崇「俺と居って楽しいん?」
淳「おん!楽しい!!」
淳太は博識だった。
淳「今の流行りはな、ダンスやねんて!
でも俺、運動音痴やからなあ〜」
踊ると笑われるねん、と
落ち込む淳太は俺に踊ってと言ってきた。
ほんまは踊るのは嫌やった
オトンがめちゃくちゃ褒めてくれてたダンス
踊ることでオトンのことを思い出しそうだったから。
淳「濵ちゃんのカッコええダンス見たいなあ」
崇「…しゃあないな」