第8章 1つの忠告と1つの勘違い
流星side
「やば、忘れもんした」
望「はあああ?!」
智「家の真ん前来て気づくなや!」
「いやぁ、ごめん、戻るわ」
まさか俺も財布を机の中に入れっぱなしなのを
忘れるとは思わなかったわ。
バタバタ学校に戻って
3階に急いで戻る
「あ、あった。良かった」
財布を手に取り、帰ろ〜と
下に降りてると
まさかのに遭遇。
「…あ、流星くん…」
大量のプリント抱えたが
ちょっと戸惑っていた。
「持とうか?重そうやし」
「い、いい!大丈夫、うん、大丈夫!」
逃げるように距離をとる。
「そんな逃げんでも安田は浮気やなんて、
疑って怒ったりせえへんやろ」
「あ、うん、まあ…」
「ならええやん、俺の優しさ」
ほら半分貸し、
と半ば無理やりで奪う。
「職員室?」
「ううん、理科準備室」
「はー。めっちゃ遠いやん」
良かった、手伝って。
こんな重いの腕ちぎれるやろ。
なんて思ってたら、
「ごめん、手伝わせて」
なんて申し訳なさそうに謝る。
「なんでや、別に嫌ちゃうから」
「…うん」
「なんやねん〜。変なやつ」
いつも通りの俺に戸惑うのか、
付き合うって報告してからのは
やっぱりぎこちない。
「智くんたち、は?」
「あー。俺が忘れもんしたから戻っただけ
2人は家に帰っとると思うで?なんで?」
「あ、ううん、なら大丈夫」
理科準備室にプリントを運び終わる。
「私、鍵返して章ちゃんと帰るから」
「あ、そうなん?分かった、鍵俺返しとく」
「でも…」
「俺3年やし、職員室前通るから。貸して」
ほら、と手を出すと
素直に鍵をぽんっと置く
「ありがとう、流星くん」
ばいばい、なんて。
同じ家に帰るんに
ばいばいとか要らんやろ。
「あほやな」
バレてへんとでも思ってんのか
「さて。どうしよっかなぁ」