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あなたと愉快な仲間たち

第3章 失恋





そんな事をヘラヘラ平気で言うから

不覚にもドキッてしちゃって
顔が少し熱くなる。


望「つーかさ、大倉のどこがええねん
あんな女誑し…。趣味疑うわ俺」


ふんっ、と怒る望。

「好きになれば分かるよ望だって」



人を好きになると、

その人の良いとこばかり目に付くの



困ってたら真っ先に手を差し伸べるとこ
率先して人が嫌がる事をやってあげるとこ
周りと協力して何事も成し遂げるとこ
喧嘩したら中立に立って仲直りさせるとこ



そういう、人として素敵な部分が
不思議と目に入る。

そうするとやっぱりもっと好きになって…


「そしたら…、もっと…」


もっと、つらくなるんだ

彼が女の人といたり、
仲良く楽しそうに話していたり。

そういう所も、見えちゃうわけだから。



望「俺なら、俺のこと好きやったら、
間違いなく飛び跳ねて喜ぶのにな
んでさ、絶対、振り向いとるのに…」

「…え?」
望「あんな奴なんかのために泣くな
アイツを想いながら泣いたりすんなや!
笑った方が数倍幸せな気持ちになれる」


同じ歩幅、同じ歩行速度で、
隣を歩く望は、

少し寂しそうで悔しそうだった。


ぶつかる空いた手のひら


望「…ん、」

ぎゅっと優しく握られた、手のひら




「ふふっ、ありがとう!のんちゃん!」




ああ、こういうのも幸せだって
気づけたから。

別にいっか。





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