第19章 俺が守ると誓うから
コンコン、
大「俺〜。入ってええ?入るなあ」
「ちょ、いいって言ってな、あーもう」
へへへ、と誤魔化すように笑う大毅が
私の隣に来て座る。
大「回りくどいの嫌いやから
単刀直入に言うな、何かあったん?」
「デリカシーってものがないの?」
大「聞けって言われてんもん、神ちゃんに」
「言わない」
翔【いつか迎えに行くから】
本当のお兄ちゃんが現れたって?
それ言えるわけない。
櫻井さんは、お兄ちゃんは、
会社立ち上げて上手くやれてるから
仕事に余裕が出来たら
私を迎えに戻ってくると言ってた
お別れの日が来るかもしれないのに
私に、どうしろって言うんだ。
大「まあ、人には言えへんことあるよな
俺かてあるよ。望のお菓子食べたし〜、
流星のサングラス踏んで壊したし〜(笑)
あ、あと淳太の万年筆落として壊してん
神ちゃんのダンス着汚してもうたしな
濵ちゃんの自転車勝手に使ったらなあ?
パクられてん、どうしようかなあ(笑)」
そんなことをペラペラ話す大毅。
まだあるで、と
聞いてもないのに話す
大「俺も人に言いたくないことあるねん
でも言いたくないことを隠しとったら
段々と心が苦しくなるもんなんやでー?
俺もさっき打ち明けてフルボッコにされた」
痛かったわぁ、と腕をさする。
「でも…」
大「そんなに言えへんことなん?」
「いまは、難しいかも」
大「やっぱ淳太にしか言えへん?」
「…」
大「ほんなら俺は待っとく!
ただ、うじうじ落ち込んでるなら
はっきり言うて。みんな心配してるから」
ええ?
顔をのぞき込む大毅。
「わかった…」