第18章 俺が君を束縛する理由
ーーー智洋side
『お兄ちゃんっ…お兄ちゃんっっ、』
あの日の叫び声がコダマする。
俺が家族を失ったのは強盗が入ってきて
鉢合わせた俺らを殺したから。
助かったんは俺だけで、
犯人が捕まるまでしばらくは
警察の監視下の元施設で暮らしとった。
流「はあ〜授業さぼらへん?」
「あかんやろ。補習になるで」
流「せやんな」
妹は俺に懐いてくれてて、
だけどいつもフラフラと知らんうちに
どこかに行ってまうマイペースな子
そんな妹は可愛くて人気者。
危ないヤツにも目を
つけられることだって時々あった
だからこそやった。
を実妹と重ねてみてしまう。
流「…智、何考えてんの」
机に伏せってた流星が顔を上げ、
眠そうな目を向けた
流「あかんで、考えすぎたら」
へら、と笑ってまた顔を伏せた。
「考えてへんよ
思い出しただけやから」
昔ほど囚われてへん
を束縛するのも、
きっと過去だけの問題やない
それぐらい俺だってお前、流星も、
気づいてるんやろ?