第17章 君を初めて遠ざけた日
それは突然のことだった。
神ちゃんが私を突き飛ばし、
怒った目で睨んだ
その目は涙で潤んでて、
ぎゅ、と唇を強く噛み締めた。
震えた拳が、
どれほどの怒りなのかを思い知らされる
学校から帰ったらこれだ。
何を吹き込まれたのかは知らない。
だけど何か言われたんだ
じゃなきゃ、こんなふうにならない。
智「俺のダンスシューズとダンス着
お前やってな、ズタボロにしたん」
大事にしていたダンス道具を、
床に投げ落とした。
ハサミやカッターナイフで
切り刻まれていた。
淳太くんと濵ちゃんが、
誕生日おめでとうとあげたもので。
ずっと大事にしてたの知ってたし、
私はそんなことしない…
智「こんなことするやつやなんてな」
「ちが、ちがうっ…!」
智「触んな!」
やっぱり…。
信じてくれないんだ。
そうだよね…。
こんな弱くて熱出しちゃうやつなんて
流「、ちゃんと謝りや」
大「なんでこんなことしたん…?」
どうしてみんな信じてくれないの
どうして、そんな知らない人が
吹き込んだ事をすぐ信じられるの?
照「…ただいま〜、どうした?」
智「こいつがこれズタボロにしてん!!」
流「俺のジャージも」
照「がした証拠でもあるん?
誰に吹き込まれたんか知らんけど。
を3人で責めるのはちゃうやろ」
智「…っ」
流「神ちゃん!」
大「おいっ!待てって!」
どうして信じてくれないの、
私じゃないよ。
私じゃないのに…!!
照「なんであんなの鵜呑みにすんねん
の言葉のが信ぴょう性あるやんか」
もうっ、と
怒る照史くんが俯いて泣く私に、
照「あんまり気に過ぎんなよ?
なにかあったんやろうしな」
「…うん」