第17章 君を初めて遠ざけた日
智「…38.5℃、がっつり風邪やな」
「気のせいだってば」
心配をかけたくない、という
気持ちが強いあまりに
私は極度に強がって見せた。
神ちゃんは面倒見よくて、
看病だって難なくしてくれた
智「しばらく学校休みやな」
「…ええ、行けるよぅ…」
智「アホか。ほんっまにコイツは」
風邪引いといて〜と
呆れつつ笑ってくれる神ちゃん。
智「元気になったら学校に行くんやで」
「…はーい」
薬とタオルと取りに部屋を出た神ちゃんを
見送って私はまた目を瞑った。
ここに来てから凄く幸せだった。
独りじゃなくなって、
誰かが傍にいること
どれだけ幸せな空間に居ようとも、
私の心はやっぱり、
何処と無く苦しかった。
寝ている間、のんちゃんも濵ちゃんも、
それこそ照史くんだって
様子を見に来てくれた
なのに、寂しくて。
こみ上げる涙から
皆が何かを察するのは簡単なことだった。