第14章 ファンクラブ
智「遅いやんけ」
むす、と不機嫌の神ちゃんが
読んでた本をパタンと閉じてこちらを見る。
「ごめんごめん。」
智「そんなトイレ混んでたん?」
「いや」
ほんまの事言ったら、遊ぶ約束すら
無しにしそうやから黙っとこ。
智「まあ、ええけど」
お腹すいたなぁ、と
机に突っ伏す。
「昼は次やから我慢やで、神ちゃん」
ええ〜と珍しく駄々こねる。
よほど遊びの誘いが
嫌だったんやろな…
智「流星さ」
「ん?」
智「女子らの誘い嫌がらへんよな」
「そう?めちゃくちゃ嫌やけど」
智「の割にいつもより駄々こねへん
俺より引きずるやん。ああいうの」
まあ、前やったら神ちゃんみたいに
イヤやぁ〜遊びたくない〜、
ドタキャンしてええかな?とか
そんなことをずっと言っとるけど。
「俺も大人になんねん」
智「どこがやねん」
器の大きい人になろうと決めたのは、
にカッコええって
思われたいだけで。
他人にどう思われようとどうでもええ。
ただ、今回はに
被害が行かへんようにするだけ。
守るって、決めたから。
智「流星はすごいな…
俺なんて嫌なもんは嫌やもん」
「はは、そんなん俺もやって」
神ちゃんは素直。
良い意味でも悪い意味でも。
そこが可愛くて愛嬌あって、
たぶん好かれる要素で
だからこそ負けたくないって思うんやろな〜。