第14章 ファンクラブ
望「りゅーせぇー!!」
おーいっ、と廊下中に
響き渡る馬鹿でかい声で叫ぶ望。
昼休み、先生に頼まれて職員室まで
ノートを運び終わり教室に戻る途中だった。
「うるさいなお前」
望「そんなうるさかった?」
「なんしてん、後で来んのに」
決まって望たちの教室で
お昼ご飯なのに
わざわざなんで探しに来たんやろ。
望「神ちゃんおらんくて好都合やわ」
「え?話が見えないんやけど…」
望「女の子たちとお昼の約束しちゃった☆」
「は?」
望「神ちゃんは抜きのやつな」
あかん?
と上目遣いされても、
気色悪いだけやでお前…。
「まあ…ええけど…」
全然良くないけどな
望「ごめんって〜〜!!
断りきれんかったんや…ごめん!!」
必死に顔の前で手を合わせ、
何回も謝る望。
なんで昼まで食べんとあかんの…?
望「他の子と仲良くなるんも大切やで?」
この時の望に少しの
違和感しか抱かなかった
やって、元からチャラい感じやったし。
けど、少し気にかけてやるべきやった。
望「そうと決まればれっつごー!」
「どこにやねん」
まさか、と距離を置こうなんて
考えとるやなんて。